買い手向け・事前検討
自社で「持てるSaaS」かどうかを見極める事前チェック
SaaS・Webサービスの買収を検討する際、 「良いサービスに見えるが、自社で本当に持てるのか」という不安はよくあります。 本稿では、技術・組織・投資余力・シナジーの4つの観点での事前チェックをまとめました。
1. 技術スタックと開発文化が自社と大きく乖離していないか
まずは、技術的に「持てるか」の観点です。 完全に同じスタックである必要はありませんが、自社のエンジニアがキャッチアップ可能かどうかは重要です。
- 主要な言語・フレームワークは、自社に知見があるか
- モダンかレガシーかではなく、「自社のチームが触れるか」が鍵
- 開発プロセスやコードレビュー文化が、自社と極端に離れていないか
乖離が大きい場合でも、「移行期間中にどう橋渡しするか」を含めて検討できるかがポイントになります。
2. チーム体制:誰が責任を持ち、どのくらいの工数を割けるか
次に、人のリソースの観点です。買収後、そのサービスを「誰が」「どれくらいの時間」で見るのかを事前にイメージしておく必要があります。
- 責任者(プロダクトオーナー/PM/技術責任者)は誰になるか
- 開発・運用を担うエンジニアは何名程度アサインできそうか
- 既存プロダクトとの兼務になりすぎていないか
「誰が見るのか」が曖昧なまま買収してしまうと、結果的に放置されてしまうリスクが高まります。
3. 投資余力:技術負債や改善に対して、どこまで投資できるか
サービスの現状に技術負債やUI/UX上の課題がある場合、どの程度の投資余力があるかも重要です。 「課題は分かっているが、当面は何も手が付けられない」という状態は避けたいところです。
- 買収後1〜2年で、どの程度の開発工数や予算を投下できるか
- 最低限解消すべき技術負債に、優先的に使える余力があるか
- その他の社内プロジェクトとの優先度のバランスはどうか
技術DDの結果と、自社の投資余力を照らし合わせて、「持てる範囲かどうか」を判断していくことになります。
4. シナジー仮説:何のために買うのかを一文で言えるか
最後に、「なぜそのサービスを買うのか」を一文で言えるかどうかをチェックしてみてください。
- 既存プロダクトの機能拡張のため(機能買い)
- 新しい顧客セグメントやチャネルの獲得のため(顧客基盤買い)
- 特定ドメインに強いチームや技術力の獲得のため(チーム・技術買い)
ライチョウテックパートナーズでは、こうした事前チェックを一緒に行いながら、「自社で本当に持てるSaaSかどうか」を技術・事業両面から検討するお手伝いをしています。