シナジー・戦略
SaaS M&Aのシナジーパターン:機能買い・顧客基盤買い・チーム買い
SaaS・WebサービスのM&Aと一口に言っても、「何を目的に買うのか」によって見るべきポイントは大きく変わります。 本稿では、「機能買い」「顧客基盤買い」「チーム買い」「技術買い」という代表的なパターンを整理します。
1. 機能買い:既存プロダクトの機能拡張としての買収
自社プロダクトに近い領域のSaaSを買収し、ラインナップや機能を素早く拡張するためのパターンです。
- 既存ユーザーに提供できる価値の幅が広がる
- クロスセルやバンドル販売がしやすくなる
- 単価向上やチャーン抑制につながる可能性
注意点
技術面では、統合コストに注意が必要です。 機能的には近くても、アーキテクチャやUXが大きく異なる場合、 統合に時間とコストがかかることがあります。
2. 顧客基盤買い:新しいセグメントやチャネルの獲得
特定の業種や規模の顧客に強いSaaSを買収し、自社のプロダクトやサービスの販売チャネルとして活用するパターンです。
- 新しい市場セグメントへの足がかりが得られる
- 既存商品のクロスセルの機会が生まれる
- ユーザーコミュニティやブランド認知の活用
注意点
顧客との関係性が個人依存になっていないか、「サービスではなく人に付いている顧客」ではないかを確認することが重要です。
3. チーム買い:開発・運営チームごと獲得する
プロダクト単体だけでなく、それを支えるチームごと獲得するケースもあります。特定ドメインに強いエンジニアやPMがいる場合に検討されます。
- プロダクト知識を持ったままチームが自社に合流する
- 既存の開発体制を強化できる
- 採用では獲得しにくい人材をまとめて迎え入れられる
注意点
チーム買いでは、カルチャーフィットと、PMI後の役割設計が非常に重要です。 既存チームとの関係性や、評価・キャリアパスの設計も含めて検討する必要があります。
4. 技術買い:特定技術やアーキテクチャの獲得
レアケースではありますが、 特定の技術スタックやアーキテクチャ、アルゴリズムなど技術そのものを目的にする買収もあります。
この場合、知財・ライセンス・OSSとの関係など、法務・技術双方の観点からのチェックが重要になります。
ライチョウテックパートナーズでは、こうしたシナジー仮説を整理し、 技術DD・事業DDを通じて「その買収で本当に得たいものは何か」を明確にするお手伝いをしています。